赤緯軸は追加で購入したウォームギアユニットで回転軸が両方に出ているものを使用して、バランスウェイトも兼ねて、カメラを両側に取り付けている。
左側は、D=60mmのガイドスコープにLodestarを取り付けたもの。右側は、T7Cカメラに50mmのCマウントレンズを取り付けたもの。仮設置ばかりだが、当面はこれで、PCからのリモート操作などを確認していく。
1月29日。羽田行きのリムジン・バスは朝1番の5時、外は未だ暗い。乗客は皆、一人づつ、隣席を空けたまま1列に並んだ満席。窓の外には、そこだけが明るい地下鉄駅の入り口に、人がぽつぽつ入っていくのが見える。本日は月曜日。
国際線ターミナルまで1時間。つるつると到着、つるつるとチェックイン、暇が出来たところで、肩こりの解消のため、中国人に大人気だという「ロイヒつぼ膏」を購入。本来ならばストレッチなどで自分で治すべき、という主義主張を持っていたが、肩の痛みで目が覚めるという事態にびびり、生まれて初めて貼るのに選んだわけで。空港の薬店ですぐに見つかるあたり、やはり人気なのだと納得。
台北まで3時間半。飛行機は満席だった。隣席の人が来ませんようにと外道な祈りをささげていたら機内に入ってきたのは大きな白人二人組。まさかあれが?だが、彼らは別の席に座り、結局隣席に来たのは大きめの日本人だった。安いチケットなので、真ん中の真ん中という席なのだった。かくなるうえはと、とにかく時間を忘れるべく、音楽を聴いてすごす。
到着。ガイドに連れられてゾロゾロとホテル行きのバスを目指す。「おかーさーん!こんなに持てないよ!」という声に振り向いたら、一人で巨大なスーツケース、そのほかバッグを3つ持っている娘さんが。お母さんは、「ダメな子ねえ」とは言わなかったが、明らかにそう思ってるな。ホテルは中山駅近くの「福泰桔子商務旅館林森店 オレンジ・ホテル」。お昼頃に着いたにも関わらず、チェックインは3時からとのことだったが、ちょうど部屋の掃除が終わったからと入れてくれた。四角四面でない対応に感謝しながら、昼寝。
目が覚めて、街歩きをしよう!と起き上がって行く先は新光三越。徒歩5分のデパートへ、散々回り道して目指す。だが、改めて街を見ればうなぎ屋とか串揚げ屋とか、居酒屋とか、日式だらけ。そう言えばホテルの部屋の真向かいは窓いっぱいの日本海庄やの看板であって。いやあ、旅情をそそるなあ。トホホ。
そこまで言っておいて、小腹が空いたからとセブンイレブンに入る。イートインになっていて、雨風防げて便利。驚いたのがお茶で、何げなく買った「御茶園」という名前のやつだったがこれが美味い!!ちょっと前まで台湾でも冷たいお茶なんて外道だったはずなのに、コンビニで普通にこういうものを扱うようになるとは。いくらでもお腹に入ってしまう美味しさで、びびる。
お土産はいつも消えモノのお菓子と決めている。「新東陽」のお菓子も好きだが、人に差し出すのならば、パッケージも美しいデパ地下の店が安心。そう思って行くくせに、新光三越は日系デパートだけあって見慣れたヨックモックとかPAULとか入っていて、逆にさびしい。現地で暮らす人々からすれば、日系のくせにたったこれだけしかないと思っているに違いないが。
気をとりなおし、中国菓子のお店の品をみる。お土産を渡すべき友人知己は、甘いものは控えなければならない人ばかり。だが、そういう人々に限って我慢が出来ないし、我慢する気もない。だからこそ、少量でなおみっちりと、満足感があるお菓子を選ばなければ!
台湾のお菓子屋は、しげしげと見ていると試食を出してくれることが多い。大抵の試食はダイナミックに大きいので、ケースの前で長居しないようにしないといけない。だが、いい感じのパッケージの、ちょうどいい大きさのお菓子を見つけてしまい、ついつい中身は何かと表記された漢字の解読に務めてしまい、そしたらいつの間にかお菓子を大きめに切ったものが置かれていた。しくじった。最低だ。美味しい。これから夕飯なのに!
結局、3日目にここで月餅を買って帰ったわけだが、帰国した日は雪だった。翌日、一人で雪かきをした知人に、呼び鈴を押してくれれば手伝ったのに!と言ったら、「あんな美味しいものを食べてしまったからには動かないと。」と答えられた。彼女に渡ったのはアーモンドの粉をたんまりと使った月餅。小さめを選んでよかったと改めて思う。
ところで、台北は寒かった。沖縄でさえ20℃を切れば大騒ぎだそうだが、それより南のくせして13℃しかないのである。結局、ユニクロのダウンベストが重宝した。中途半端なコートの下に仕込んだのである。
ホテルにいったん帰ってから、食事に趣く。さて、どこでゴハンを食べようか。窓の向こうは「日本海庄や」だ。現地在住日本人サラリーマンや日本人観光客が台湾や店の料理の悪口言いながら酒飲んでいそうな感じ。そんなこともないのだろうけど、日本の味を求めて日式居酒屋に日本人が行くとしたら、少しの違いも我慢がならないに違いない、と考えてしまうのである。くわばらくわばら。
雨の中、よさげな店に入ろうとしたら予約で一杯。同じ通りには「台湾料理 青葉」があったが、案内された席が寒くて仕方ない。初日から風邪をひく余裕はないので、他の店に行く。そこは鶏が得意な店らしかった。それなら鶏を食べればいいものだが、何故か野菜から行く。
からし菜と貝柱の炒め物にしようと言う夫に、貝柱ごときで高いお金使うのはイヤだ、それよりは東京では食べられないへちまにしよう!とゴネあう。夫は贅沢しようよと言うが、飛行機まで使って安価なヘチマを食べる方が贅沢であって、ここぞとばかりに高いもの(実はヘチマもからし菜も値段はそう変わらなかった・・・)を食べようとするのは貧乏くさい、と主張。後で思えばヘチマもからし菜も両方注文すればよかったのだが。大体、飛行機乗ってヘチマ食べようとするのは贅沢ではなくて物好きというものでは???まあとにかく旅先ではハイになる。
他には豆腐と鴨肉の旨煮、恵方巻きくらいの牡蠣の巻き揚げ。牡蠣のほかにはエビだの魚肉だのが入っていて、美味。ビール3本も飲んで4000円ほどだった。飲み食いに夢中で写真をとるのをすっかり忘れていた。インスタ映えしない夫婦だ。
隣の席は若い日本人男性二人だった。左利きの二人が向かい合って箸で食事してるのも面白い絵だというのに、5つも料理を注文していて、ひとつはチャーハンだというのに、そのチャーハンの山から始まってどんどん料理がなくなっていくのを見るのは壮観だった。
初日はこんなもん。
本日のご予定はタクシーにて軍事博物館、その後西門のカルフールでお買い物、ガイドさんが3時にお迎えに来るので、それまでに帰ることになる。洗濯してあったものなど粛々とパッキングする。今回のお忘れ物は「お世話になってしまった場合のちょっとしたお礼の品」と「洗濯物干しのためのクリーニング屋さんのハンガー」(オレンジホテルに泊まる方はご用意を!)と、「歩き疲れた足の裏に貼るシート」だったなあと思う。あと、買い物のためにエコバッグもあった方が良かったかもしれない。コンビニでビニール袋を買うことになった。
スーツケースを預け、傘を持ってタクシーに乗る。ネットによると、軍事博物館(正確には 国軍歴史文物館)は改修中であるという話から改修は終わったのに閉まっているという話、いつ終わるのかがわからないという話とか、雲行きが怪しかった。ホテルのおにいさんに調べてもらったら、開館してますよ~、とのこと。
タクシー、安い。夫によれば止まる直前にメーターが上がってしまったが、運転手さんがそのぶんは返してくれたという。うちの夫はそんなにもいい運転手から、きちんとおつりを受け取ってしまう人。大体にしてからが、不要(ぷーやお)と言うにも恥ずかしいおつりだったりするのでまた困る。
軍事博物館は開館していた。ロッカーに荷物を預けることになるが、暗証番号が必要だったりして、今思うと無駄にきちんとしていた。軍事博物館は、興味がない人間にとっては大小の差はあれほぼ一緒。ただ今回は中華民国ゆえ「抗日戦争」という場があって、ちょっとだけ困惑。なんとなれば、台湾の街こそが手放しで抗日どころか日式ウェルカムだからである。当時、中国に進駐していた日本軍の降伏文書やら
展示品の中には本物の機関銃を使って射撃ゲームみたいなのが出来るのがあり、ふと担いでみたが重さのあまりやる気なくす。昔日の軍人は皆こんなのを背負って行軍したのだと思えば、一家に一台くらい置いといてたまにかつぐべきなのかもしれない。他に大砲を撃つのを模したのもあり、迎撃の音もすごいし、足元は反動を模して動いてくれるし、もうちょっと遊んでみたかった。ただ、タテマエとしては抗日戦争が表示されているところで反対勢力である日本人が「ひゃっほう!」とか奇声を上げながらいつまでもいつまでもいつまでも大砲打ち込んでいていいものなのかと思えば、やっぱ控えるべきでしょうね。
軍事博物館を出て、裏側にあったお菓子の店らしきところに行ってみた。だがそこはお菓子の店ではなくて軍籍関係会館、みたいなところで1階にはコンビニと本格的でないお菓子屋があるが、他は結婚披露宴とか軍OB達の集いとか行われるホールとか出張用の宿泊場所とか、そんな感じの建物のようだった。迷彩服を着た、背の高い女子がお買い物していた。
軍事博物館から西門まですぐ、その西門にはフランス系スーパーのカルフールがあるので、現地土産的な買い物に行くが、途中、鉄板で焼いているさまがまことにうまそうな饅頭屋を発見。(実のところ胡椒餅も餅ではなく内容は肉まんなわけで、表現に困る)、お昼にはまだ少しだけ早いけど店の中で何人かが食べているのが見える。店の中でと言ってももちろん入り口があって雨風は防げるけどテーブルとイスが並べられていて、ご相席よろしくね、みたいな店。だがこれがすっごく美味そう。なんたって出来立てなわけだし。
壁には貼り紙がしてあって、お一人様40元よりお席をご利用いただけます、みたいな内容。だが饅頭ひとつではその値段80円やそこらにさえも満たない。なので置いてある小皿料理をひとつとってなんとかその要求を満たすことが出来た。同じテーブルにはどかどかと労働中の男子がやってきて、私たちがひとつづつ食べている饅頭を6つも食べ、小皿のおかずも2つくらい添える。夫は二人ぶんのつもりで饅頭を2つ注文したが、よくしたもので指差した片方は肉饅頭で、もう片方はニラ饅頭だった。作りたてのそれの肉汁は滴り落ち、熱いは美味いはでどうしようかってくらい。
その後、歩いてすぐのカルフールに行く。「フランス系」とは聞いているが、あまり関係ない。だが、一応パンが美味しいとは聞いているし、前回買えなかったパンを買ってしまった。それはどういうのかと言えば、一辺が50cmもあるながっぽそい、プラスチック製のナイフがついたパンである。前回来たときにも買いたかったがこの大きさゆえに迷い、今回はこの大きさなら手荷物バッグの底にちょうど入るサイズなので購入に踏み切った。何であれ、大きいというだけで面白い。帰国してから留守を預かってくれたメンバーと3等分したが、切ってみたらしっとりしたケーキ生地をパイ生地で覆って焼いてあるというもので、おもしろ美味しかった。
次とは、台北駅から通りを渡った先のバスセンターである。バスセンターでは伝統的なお菓子屋さんでゴマがまぶされたナッツぎゅうぎゅうの円形の月餅やおまんじゅう、またもパン屋さんでお買い物。お土産はこれで完了。
台北駅からホテルまでは歩いても近い。3時にはまだ間があるし、ちょっと小腹が空いたので、近くのファミリーマートに入った。ファミマには焼き芋が売られていて、安納芋にそっくりの焼き芋はとてもおいしかった。ペットボトル入りの御茶園のお茶も飲み収めだ。ちょっとした座る場所があるのがありがたい。
結局、毎日雨だったが、困るほどの降り方はしなかったのが幸いだった。持って来た30年モノの傘をホテルのスタッフに託し、ツアーのお迎えバスに乗った。同じ日に帰る人の中には、国賓級の人々が泊まる円山大飯店に泊まった人もいて、久々にその威容を拝めた。たまにはこういうところにも泊まらなければならないが、どこに行くにもタクシーだしなあ・・・。もちろんその後は、ご一緒にお決まりの免税おみやげ品店に。
笑えるほどでっかい真珠のネックレスが売られていて、これが本物の、ただし淡水真珠。なのでアコヤ真珠のつもりでいると、騙されようとしてるのかと思うほど安い。大丈夫、ちゃんとした淡水真珠で、普通の値段なのである。ただし、1粒が10ミリ以上になれば普通の日本人にはバランスがとりにくくなるような気がする。キャッツアイとか血赤サンゴとかもあった。あとはデザインで、日本にはないようなデザインもあるし、日本でも普通につけられるデザインも、台湾あたりのお土産ですねとわかるデザインもある。
空港到着。機材の到着が遅れているとのことで、出発は遅延した。しかし乗り込めば2時間半で羽田到着、遅延したからか2時間半しか時間がないからかスタッフのサービスも良かったような気がする。なにしろ、たったの2時間半で着いてしまうと逆に狐につままれたような気さえしたのであった。
おしまい。